023 差別待遇、公平公正_2

「単軸結晶の波速は簡単で……」

木村翼の隣に座っていた明石真治は、信じられない目で木村浩を見つめていた。彼はおろか、かつて江渡大学で名を轟かせた木村錦さえも木村浩に叱られたことがあるのに。

なぜだ??

白川華怜が賢いのは認める。

でも、彼女の向かいにいるあの二人は、な・ぜ・だ?

明石真治は冷たく視線を外した。

こちら側の三人は真剣に聞いていた。

木村浩は直接この問題の解答手順を書くのではなく、原理をすべて掘り下げて説明し、浅いところから深いところまで解説した。畑野景明と空沢康利は二人とも筆を持ち、聞きながら要点を書き留めていた。

彼が真剣に問題を説明するとき、身に纏う冷たさは少し和らいでいた。

白川華怜は映像記憶能力があるため、ノートに書き留める必要はなかった。

彼女はずっと集中して聞いており、専門用語に出会った時だけ、安藤宗次のために用意した小さなメモ帳に記録し、後で無作為に一つ選んで安藤宗次に説明するつもりだった。