023 差別待遇、公平公正_2

「単軸結晶の波速は簡単で……」

木村翼の隣に座っていた明石真治は、信じられない目で木村浩を見つめていた。彼はおろか、かつて江渡大学で名を轟かせた木村錦さえも木村浩に叱られたことがあるのに。

なぜだ??

白川華怜が賢いのは認める。

でも、彼女の向かいにいるあの二人は、な・ぜ・だ?

明石真治は冷たく視線を外した。

こちら側の三人は真剣に聞いていた。

木村浩は直接この問題の解答手順を書くのではなく、原理をすべて掘り下げて説明し、浅いところから深いところまで解説した。畑野景明と空沢康利は二人とも筆を持ち、聞きながら要点を書き留めていた。

彼が真剣に問題を説明するとき、身に纏う冷たさは少し和らいでいた。

白川華怜は映像記憶能力があるため、ノートに書き留める必要はなかった。

彼女はずっと集中して聞いており、専門用語に出会った時だけ、安藤宗次のために用意した小さなメモ帳に記録し、後で無作為に一つ選んで安藤宗次に説明するつもりだった。

約30分後、木村浩はようやく四つの小問を説明し終えた。

説明が終わると、他の三人は自分の理解に基づいて問題を解き始めた。木村浩の説明は授業ほど多くなかったが、無駄な言葉は一つもなく、分析は非常に明確だった。

彼の説明能力は、物理の苦手な人でも完全に理解できるほどだった。

白川華怜も夜ご飯をまだ食べていなかったので、木村浩の説明が終わると、単語帳を持って木村翼と一緒に食事に行った。

こちらでは木村浩がまだ畑野景明と空沢康利の向かいに座っており、片手をテーブルに置き、指先で薄い紙を軽く押さえながら、「君たちの互助グループにはもう一人メンバーがいるよね?」と尋ねた。

空沢康利は木村浩の前では本当に話しづらそうで、畑野景明が頷いた。

木村浩は紙を集め、何気なく折りたたんで、白川華怜の黒いノートに挟んでから、二人を見て、「今日のことは、そのメンバーには知られたくないんだ」と言った。

畑野景明と空沢康利は賢い人たちで、木村坊ちゃまの意図をすぐに理解した。

「分かりました」と畑野景明が空沢康利の代わりに答えた。

「そうそう」木村浩は適当に応じながら立ち上がって食事に向かった。「白川くんにも知らせる必要はないよ」

問題は少し難しく、三人は夜11時になってようやく書き終えた。