宮山小町は学習委員と目を合わせ、お互いにピースサインを交わした。
そして白川華怜の剣舞を練習スケジュールに書き込んだ。学校の道具室には長剣がないので、外注で作らなければならない。衣装も前もって準備しておく必要がある。
二人はノートに記録した。
夜の6時、補習クラス。
8組の担任は昨日の解答を回収した。
そして今日のビデオを再生し始めた。相変わらず物理で、「今日の録画は昨日より難しいです。これからはどんどん難しくなっていきますので、みなさん心の準備をしておいてください」
もう高校の範囲を超えていた。8組の担任は後ろに座り、講義を聞きながら昨日の問題を採点していた。
全部で4問あり、ほとんどの生徒は最初の2問しか解いていなかった。
中村優香の解答用紙を見るまでは。
中村優香は全問解いていたが、最後の問題は大まかな解答しか書いていなかった。明らかに誰かに解答過程を書いてもらったようだが、最後の問題は理解できていなかったようだ。
8組の担任は一瞬驚き、平常点に「10」と書こうとした。
何かを思い出し、白川華怜の解答用紙も取り出した。同じく4問全て解いていた。
解き方は模範解答とは全く異なっていた。8組の担任は目を輝かせ、白川華怜の解答を研究し始めた。模範解答よりも詳しく、明確だった。
実際、模範解答は簡単で、第1問は図だけだったが、白川華怜は横に標準的な分析を書き添えていた。
理解が曖昧だった8組の担任は、白川華怜の解答を読んで、やっとこの問題を理解できた。
彼は心の中で決めた。
中村優香と田中駆には8点をつけ、そのグループの他の2人は3問しか解いていなかったので7点をつけた。
白川華怜と畑野景明には10点、空沢康利は理解が少し足りず、最後の問題は解答があるものの少し曖昧だったので9点をつけた。
8組の担任は白川華怜の解答を見ながら、長い間考え込んだ。
前回、白川華怜に畑野景明と空沢康利が同じグループだと聞いていた。誰の恩恵を受けているかは言うまでもない。
7時半、録画が終わった。
中村優香と田中駆の4人は相変わらず居残りせず、興奮した表情で講堂を後にした。
廊下で。
8組の担任は中村優香を呼び止めた。「中村くん」
中村優香は担任に敬意を表して、「先生」と答えた。