025 彼女をこっそり文系に戻らせるわけにはいかない!_2

彼女はどうやって一度聞いただけで理解できるのだろう?

しかも説明の方法は木村浩とまったく違うのに、むしろ分かりやすい。

畑野景明は学習面では常に自信があったが、今は木村浩に続いて白川華怜にも。

さらにはあの子供までもが、彼に人生を疑わせる。

白川華怜は指先でペンをくるくると回し、すぐに握り直して「映像記憶」の意味を考え、「かもしれない」と頷いた。

畑野景明はノートを取り戻し、「僕は記憶の宮殿しか作れていない。君ほど早くない」と言った。

理解力も彼女ほど良くない。

隣でabandonを暗記していた山田は映像記憶と記憶の宮殿の意味を検索した。

検索後、目を丸くした。

いいなぁ。

前の席の人:映像記憶。

隣の席の人:記憶の宮殿。

自分:七秒間記憶。

山田は無表情で携帯を片付け、憤慨しながら単語帳を開き、一ページ見た後、羨ましそうに隣の席と前の席を見た。