白川華怜は頷いた。
彼女は視線を戻し、まぶたを下げて、瞳の奥の感情を隠した。「来週の同じ時間に会いましょう。その時は砂袋を2斤の鉄球に変えます」
伊藤満は重い足取りで帰っていった。
白川華怜が戻った時には11時になっていた。いつもなら問題を解いているはずの彼女だが、今日は問題を解かず、百度を開いて「テコンドー」を検索した。
ネット上には多くの動画があった。
宣伝用の道場の広告も多く、彼女はテコンドーの動画を繰り返し観察した。
某国のものは、見た目は派手だが実戦性に乏しい。
今はみんなこれを習っているのだろうか?
白川華怜は顔を上げ、静かに窓の外を見つめた。
一室一人一つの月。
スマートフォンの上部に突然通知が表示された。以前ログインしていた江渡予備校アプリからだった。