030戸籍と高橋博士の答え_3

**

火曜日は生物の授業があった。

生物の先生と物理の先生は同じ職員室にいた。

彼は十五組に物理で満点を取った二人がいることを知っていた。一人は畑野景明で、もう一人は……

生物の成績欄に書かれた「0」を見て、顔を上げ、白川華怜を諦めたように見つめた。「白川さん、なぜ生物の試験を受けなかったの？」

物理の先生は生物の先生の言葉を聞いて、不満そうに言った。「大野先生、どうして白川さんをそんなに追い詰めるんですか？彼女が理系に転科したばかりだってご存知でしょう？」

物理の先生は白川華怜を見て続けた。「まったく、私とは大違いですね。私は白川さんに対してとても寛容ですよ。どんな成績でも気にしません」

生物の先生：「？？」

彼は物理の先生に怒鳴りたい衝動に駆られた。

何を気にしないって？高すぎる点数を気にしないってこと？

物理の先生は次の授業が十四組にあるため、試験用紙を抱えて満足げに出て行った。

白川華怜は目を伏せ、制服姿で細身の長身を活かし、生物の先生に答えた。「先生、まだ勉強していないからです」

物理は生物よりずっと難しいのに、彼女は満点を取れる。生物を勉強していないはずがない。

生物の先生は一言も信じなかった。

もし化学も「0」点だと聞かなければ、新入生が自分に何か不満があるのではないかと疑っていただろう。

「白川さん」生物の先生は少し遠慮がちに切り出した。「適度に、少しずつ、時々でいいから、生物を勉強してみない？」

白川華怜は物理の基礎をほぼ習得していた。

島田凜の生物ノートも写し終えていたので、生物の先生の提案は彼女の考えと一致していた。「はい、分かりました、先生」

「君は……」生物の先生はまだ諭そうとしていた。

承諾の言葉を聞いて、彼は急に元気になり、彼女を見上げた。「本当？」

「もちろんです」白川華怜は眉を上げた。

「よかった」生物の先生は頷いた。咳払いをして、「そんな大きな目をして先生を騙したりしちゃダメだよ」

白川華怜：「……？」

木曜日。

特別講習の最終日。

今日の録画を見終わった後、八組の担任は最後の練習問題を配り、特別講習の生徒たちを見渡しながら言った。「今日が最後の練習問題です。明日までに解答を提出してください。学校側が会議を終えたら、二人の選考結果を発表します」

この一言で波紋が広がった。