027反骨の身、江渡予備校_2

「後で話そう」中村修は意外に思い、中村綾香の「天性の反骨精神」という言葉を考えながら、「彼らに対して、交渉の場での態度を取らないでくれ……」

その本について中村修はよく知らなかったが、中村優香と田中駆の態度から、重要なものだと分かっていた。

「社長」秘書長は中村修の腹心として、普段は誰もが慎重に接する存在だが、後ろの中庭を冷ややかに見つめながら、その表情とは不釣り合いな恭しい声で、中村修に不満を述べた。「あなたは彼らに対してあまりにも低姿勢すぎます。でもあなたがいなくなると、安藤家の人々は全く取り繕いもしない……」

秘書長は命令を下すことに慣れすぎていた。

時が経つにつれ、自分も下積みから這い上がってきたことを忘れていた。

彼は中村修の前では慎重で謙虚な態度を取るが、他人の前ではそうではなかった。