038同級生、お箏はありますか?(1)_2

木村翼は白いシャツと黒のサロペットを着て、一生懸命木村浩の後を追いかけていた。

大人と子供の組み合わせは、道行く人々の視線を集めていた。

講堂の入り口で、学生会のメンバーがチケットをチェックしていた。宮山小町に挨拶しようとしたが、前を歩く人を見て、すぐに声を潜めた。

講堂の中に入ると、宮山小町は畑野景明と一緒に入る勇気が出なかった。

畑野景明が木村浩と二人を中に連れて行くのを見届けてから、やっと緊張が解けた。

「あの方は誰なんだろう?」学生会のメンバーがようやく話し出した。「学長が招いた要人に違いない」と確信めいた様子で。

学長と田中駆たちはなぜ来ていないのだろう。

宮山小町は入り口で白川華怜を待っていた。

時間は短かった。

学校記念式典は8時開始、7時40分に白川華怜は安藤宗次を伴って到着した。