038同級生、お箏はありますか?(1)

田中駆は今、中村優香に対してそれほどの好奇心を持っていなかった。

「いいよ、行こう」

一昨日担任が白川華怜のことを話して以来、彼はとても静かになり、中村優香との会話も大幅に減っていた。

中村優香は剣のことについては何も言わなかった。

彼女は頷き、田中駆と一緒に階段を上がった。

学校の幹部たちは今日、とても早く起きていた。

彼らは6時には学校に来て朝会を開いていた。

学校内では、歩いていく先々で警備員の姿が見え、細部に至るまで間違いが起きないよう努めていた。

田中駆と中村優香が校長室に到着したとき、幹部たちは正装を着て、何かを真剣に議論していた。

二人が入ってくるのを見て、校長は中村優香に優しく微笑みかけ、「中村くん、来たのかい?最近、字の練習はどう?」

そう言いながら、彼は後ろに置いてある文房四宝を見せるため道を開け、「まず、これらが使いやすいかどうか確認してみて」