きれいな整ったリボンだった。
結び終わると、木村浩は立ち上がり、腕を組んで、上から冷たく木村翼を見つめた。
木村翼はようやくゆっくりと言った。「学校祭で、白川お姉さんが、出演するんです。」
そう言って。
自分のチケットを取り出し、「一枚しかないんです。」
木村浩は冷たく彼を横目で見た。
スマホを取り出しながら、着替えるために階段を上がった。
田中局長のアイコンをタップした。
そして、起きたばかりの田中局長は木村浩からの冷たい四文字を受け取った——
【学校祭チケット】
田中局長はその四文字を見つめ、瞬時にぞくっとした。
画面越しでも、その寒気と殺気が伝わってくるようで、思わず身震いした。
木村浩がチケットを何に使うのか考える暇もなかった。
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その時。
田中家。
真っ暗な謹慎室で、ぼんやりと目覚めた田中美依は床から這い上がった。