038同級生、お箏はありますか?(1)_3

彼女は一瞬躊躇してから、うつむいて言った。「優香、分かりました。田中さんのご指摘ありがとうございます」

中村優香は幼い頃から大切に育てられ、十分に努力し、十分に賢かった。

彼女の年齢でこのような書を書けることは、先生たちも若者の才能に感心するほどで、傲慢になるのも無理はない。学校の大小の幹部たちも彼女を高く評価していた。

田中局長の評価には納得できなかった。

田中局長は当然、中村優香が自分の評価に納得していないことを見抜いていた。

彼は微笑むだけだった。確かに、中村優香は十七歳で、同年代の者よりもはるかに優れた書を書いていた。

しかし木村浩が所蔵しているあの書は——

彼らの先祖である白井奈月が書いたとき、まだ十五歳だったのだ!

十五歳で多くの詩を書いたことは言うまでもなく、その書だけを見ても、中村優香は十年学んでもあの気骨は習得できないだろう。

白川家の人々に対して、田中家は熱狂的なファンのようなものだった。あなたがどんなに上手く書けても、白川家の人々と比べれば、申し訳ないが、ロケットに乗っても彼らの先祖には及ばない!

先祖たちと比べるまでもなく、江渡の渡辺和美でさえ中村優香より上手かった。

田中局長はそれほど感心した様子を見せなかった。

学校側はもちろんそれに気付き、心配になって急いで田中局長を学校記念式典に案内した。

興味が湧いたので、田中局長も陽城市の今の学生たちを見てみたいと思った。

一行は大講堂へ向かった。

到着したときは既に7:55だった。

校長は一群の人々を率いて入場した。

入口でチケットをチェックしている学生会のメンバーは、校長が中年男性の後ろをおずおずと付いて歩いているのを見て、思わず口を開けた。

先ほどの人は校長が招いた来賓ではなかったのか?

講堂の最前列は学校幹部のために確保されていた。

田中局長は中に入りながら、さりげなく群衆を観察していた。彼は今日木村浩も来ていることを知っていた。

ついに大講堂の片隅で群衆の中に立っている人を見つけ、田中局長は驚いた。

本当に来たのか?

暇がないはずでは?

「田中さん?」校長は少し戸惑った様子だった。

田中局長は急いで視線を戻した。「何でもありません」

彼は考え込むように、白川さんが出演するのだろうかと思った。

**