島田凜は表情を引き締めて、静かに宮山小町の隣に座った。
宮山小町は振り向いて尋ねた。「大丈夫?」
島田凜は畑野景明よりも寡黙で、首を振って大丈夫だと示した。
宮山小町はようやく手を放した。彼らは皆、白川華怜が時戸綾音に対してとった態度を見ていた。
彼女は小声で白川華怜に言った。「この田中美依とは可能な限り関わらないようにしましょう。前に言ったように、彼女は田中家の人間で、田中駆の妹よ。学校でどんな問題を起こしても、田中家が全て解決してしまうの」
同じテーブルの15組の生徒たちは皆、強く同意した。
ただ畑野景明だけは違った。彼も先ほど白川華怜の袖を引っ張っていたが、その説明は極めて淡々としていた。「田中美依はムエタイを習っている。君には勝てない」
宮山小町はその言葉を聞いて、黙って畑野景明を横目で見た。