036田中美依が習うムエタイ、梁体字_3

学校では中村優香のファンが多く、彼女のように成績優秀で多才で、家柄も良い人は。

珍しかった。

宮山小町は隣にいる転校生の白川華怜に説明した。「うちの学校は江渡の投資で、生徒の書道をとても重視しているの。中村優香は梁体字がとても上手なのよ。」

宮山小町は珍しく憧れの口調で話した。

以前から言っていたように、8組の才能には本当に感心していた。

宮山小町自身も梁体字を習っていたが、上手くならなかったからだ。

だから中村優香のレベルに達するのがどれほど難しいか分かっていた。

「梁体字?」単語を背負った白川華怜は一瞬止まり、少し首を傾げた。

宮山小町は白川華怜が「館閣体」を書くことを知っていた。

奥田のお母さんがクラスで話していたように、整然として美しい字だった。奥田のお母さんだけでなく、15組の多くの教師たちも理系生徒の字を嫌がり始めていた。

宮山小町の答案は整然としていたので、影響は受けなかった。

「本田徳厚の書体よ」宮山小町は白川華怜が知らないと思い、説明した。「知らないの?うちの学校では多くの人がこの書体を使うけど、中村優香が一番上手なの。だから江渡から誰か来るたびに、学校は中村優香にその偉い人たちに会わせるのよ。」

それ以上の詳細、具体的に誰に会うのかは。

宮山小町のような一般人には知る由もなかった。

「そう。」白川華怜は視線を戻した。

「ここよ」渡辺茜は白川華怜を新しい舞台裏の入り口に連れて行き、カーテンをめくって舞台に上がり、手順を説明した。「本番ではここから上がって、スポットライトが当たって、最後は中央で決めるの……」

今回の学校祭を学校側はとても重視していて、生徒会の全員が真剣に取り組んでいた。

学校祭当日にミスが出ないよう確認していた。

少し離れたところで。

数人の大柄な女子生徒に囲まれた一人が近づいてきた。生徒会長は少し躊躇してから迎えに行った。「田中美依、どうしてここに?」

彼は中村優香と田中駆と仲が良かった。

田中美依を恐れてはいなかったが、ここで唯一彼女に話しかける勇気のある人物だった。

田中美依は彼を軽く見やり、前方の白川華怜に目を向けた。「彼女も出し物があるの?」