「田中駆が一番よく分かっているでしょう?」八組の担任は田中駆に視線を向けた。「最初に受け取った解答は白川さんのものでしたよね。白川さんが空沢に枠を譲ったことからも、彼女がそういったことを気にしていないことは明らかだと思います」
「中村くん、当時は絶対的な公平さが必要だと言ったのはあなた自身です。その意見は正しいと思いましたので、私は白川さんの解答を勝手に差し控え、あなたたちに必要な公平さを提供したのです」
田中駆は急に顔を上げた。
確かに最初の解答が白川のものだと知っていた。あの時、先生に尋ねたのだ。
しかし先生は誰のものか教えてくれず、ただ白川とチームを組むつもりはあるかと聞いただけだった。
彼は断った。
そうか、白川は後で解答を彼らに見せようと考えていたのか。