039白衣行（2）

二人は白髪の安藤宗次を見つめながら、震える声で尋ねた。「先生、以前、生物の先生でしたか？」

「私？仕立屋だよ」

二人は安藤宗次の真面目な顔を見て、冗談を言っているようには見えず、混乱した。「仕立屋？？？」

その声は泣きそうだった。

「そうだ」安藤宗次は無表情で彼らを見つめ、舞台を指差して言った。「私の孫娘が演目を披露するところだ。二人とも静かに見ていて、拍手を忘れないように。ほら、彼女の着ている服は私が作ったんだ」

二人は舞台上の白川華怜の美しい衣装を見つめた。

ああ...本当に仕立屋だったのか？

二人はついに声を上げて泣き出した。

**

最前列。

田中局長は白川華怜が舞台に上がり、お箏を持っているのを見て、急に姿勢を正した。

白川華怜を見つめ、まばたきひとつせずにいた。

今日は素晴らしい演目が多かったが、田中局長は少し上の空で見ていた。彼は国レベルの公演を数多く見てきており、陽城市の小規模な催しに、今日八時から十一時過ぎまで座っているのは。

完全に木村浩と、出演するかもしれない白川華怜への配慮だった。

ずっと演目に関心を示さなかった田中さんが突然姿勢を正したのを見て、校長は驚いた。

同時に、楽屋から戻ってきた幹部が、楽屋で起きた出来事を校長に小声で伝えた。

校長の笑顔が一瞬凍りついた。突然真剣になった田中さんを見て、急いで小声で言った。「このお箏は学生の素人芸ですから、江渡の専門家には及びません。お気楽にご覧ください」

「ああ」田中局長は視線を外さなかった。

依然として姿勢を正したまま白川華怜の舞台を見つめていた。

白川華怜は琴椅子に座った。

両手を軽やかに琴架に置き、目を軽く閉じていた。

広がるグラデーションの緑色のドレスの裾が床に広がり、床に広がった裾には色とりどりのヒナゲシが風に舞うように咲いていた。

落ち着かない様子だった講堂が次第に静まり返っていった。

「バン——」

中央の最も明るいスポットライトが降り注いだ。

ずっと目を閉じていた白川華怜が突然目を開いた。その瞳は普段の無関心な様子ではなく、漆黒で冷たく、殺気を放っていた。

彼女は手を上げ、両手を弦の上に置き、上から下へとゆっくりと弾いた。流れるような美しいアルペジオが彼女の手から溢れ出た！