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第一中学の食堂。
白川華怜は食事を用意して、宮山小町が安藤宗次を連れてくるのを待っていた。
木村浩は途中で電話を受けて先に行ってしまい、木村翼は白川華怜と一緒に食堂へ向かった。
山田は宮山小町より先に到着した。
彼は以前の8組の男子生徒を連れて、白川華怜に謝罪した。「申し訳ありません、白川くん。」
「剣を持って行ったのはあなた?」白川華怜は単語を覚えていたが、謝罪を聞いて少し顔を上げ、食堂の椅子に軽く寄りかかった。緑色の服の裾が椅子に広がり、ヒナゲシが豪華で贅沢に咲き誇っているようだった。
8組の男子生徒は少し戸惑っていた。
「緊張しないで」白川華怜は唇を曲げて微笑んだ。彼女は元々艶やかな顔立ちで、普段は物憂げで攻撃性がなかったが、この時手に携帯を持ちながらゆっくりと言った。「ただ事情を聞きたいだけよ。」
「何を緊張することがある。」山田は彼を一瞥して、「うちの白川くんはこんなに素直な生徒だぞ。田中美依じゃないんだから、話せることは話せばいい。」
8組の男子生徒は白川華怜を見つめた。白川華怜の「ただ事情を聞きたいだけ。でないと誰を始末すればいいかわからない」という表情を見て。
これが素直?
15組の皆は白川華怜に対して何かフィルターがかかっているんじゃないか?
「中村優香さんが私に約束してくれました」男子生徒は躊躇いながらも、真実を話すことにした。「彼女がなぜ田中駆に連絡しなかったのかは分かりません。」
「田中美依、中村優香」白川華怜は視線を戻し、この二人の名前を呟いた。
食堂の入り口で。
宮山小町が安藤宗次を連れて入ってきた。
宮山小町は甘い言葉が上手く、安藤宗次は煙管を持ち、この学生たちを見て、みんな白川華怜の親しい友人のようだと思い、いつもの厳しい表情も和らいだ。
白川華怜は安藤宗次の姿を見ると、手を振って山田に8組の男子生徒を連れて行くよう合図した。
「そうなの、彼女は元々剣舞を披露する予定だったのに!でもお箏の方が素晴らしかったの。それなのに才能がないなんて言って...」宮山小町は途中ずっとおしゃべりを続けていた。「お爺さん、彼女のお箏はどうしてあんなに上手いんでしょう...」
安藤宗次は黒い長衣を着て、清潔感があった。