047藤野院長の弟子入り状なんて気にしない(2更)_3

木村浩は木村翼の蹴り飛ばした布団を掛け直し、手を伸ばして電気を消した。

そっと携帯を手に取り、部屋を出た。

ドアが閉まった。

木村浩は携帯をポケットに戻し、書斎で木村家から送られてきた書類を少し処理してから自室に戻った。家の中は相変わらず広々として静かだった。

何気なくリモコンを手に取り、カーテンを閉めようとした時、ポケットの中の携帯から眠そうにあくびをする声が聞こえてきた——

「あなたの方が私より粘り強いわね」

彼は一瞬驚いて画面を見た。

画面の向こうの白川華怜は眠そうに笑って言った:「私、先に寝るわ」

ビデオ通話が切れた。

木村浩はようやく気づいた。

さっきずっと誰かがいたんだ。

**

翌日。

白川華怜はいつもより少し遅く起きた。

初めて起こされなかった安藤宗次は少し違和感を覚えた。

白川華怜は木村翼にピリオドを送っただけで、そのまま学校へ向かった。今朝は遠回りして彼に会いに行く時間はなかった。

今日も島田凜は授業に来ていなかった。

白川華怜はゆっくりとカバンから教科書と宿題を取り出しながら、考えを巡らせていた。

廊下で、突然中村優香が現れた。

特進クラスの生徒、それも中村優香だ。

十五組の生徒たちが急に静かになった。

中村優香は誰も見ずに、ただ淡々と白川華怜を見て言った:「白川、校長先生が校長室に来るように言ってたわ」

言い終わるとすぐに立ち去った。

彼女が去った後、山田が白川華怜を見て言った:「まさか中村優香が伝言を持ってくるなんて、姉さん、いつから彼女と知り合いなの?」

十五組の他の生徒たちも興味津々だった。

白川華怜はカバンを片付けながら、ただ眉を少し上げただけだった。

宮山小町は白川華怜を見て、突然前回の学校祭のことを思い出し、少し後ろに下がって言った:「華怜、学校祭のことはこのままにしておきましょう。中村優香も田中美依も私たちには手が出せない相手よ。特に中村優香は、噂では...」

彼女は周りを見回してから、声を潜めて、「彼女のお爺さんは私たちの陽城市のあの中村さんだって」

これは学校中で噂されていることだが、生徒たちはほとんど疑っていなかった。