054帝師、白川華怜の真の実力

陽城市の今回の文化観光計画は、上から下まで皆が重視している。

中村修たちから子供たちまで、皆が陽城市の文明的な姿を保つために協力している。

陽城第一高校は古くから長い歴史を持ち、校庭の中央にある石碑が最大の見どころだ。文化観光局からの指示が学校に届いた時、校長は全力で取り組む姿勢を見せた。

感情に訴え、理を尽くして奥田幸香を説得し、白川華怜を引き合いに出した。

今、中村優香が一方的に録画を拒否すると言い出し、校長は確かに慌てた。

校長にとって、謝罪するだけの件で、奥田幸香は真剣すぎると感じた。

「梁体字が最も重要です」校長は白川華怜の印象が非常に良く、どこでも真面目に勉強している。他の人は知らないが、校長は彼女の物理の成績が江渡から注目されていることをよく知っていた。「でも、うちの学校では中村優香だけが上手なんです。」

陽城市は歴史文化が深く、特に白川家一族は。

大永時代の最も輝かしい一頁は、まるで華やかな花火のようだった。

絢爛でありながら、儚い。

陽城市にだけ咲いた。

陽城第一高校に立つ石碑は梁体字であり、映像文化として表現されるものも必ず梁体字でなければならない。

さらに言えば……

あの田中さんが重視しているのも梁体字だ。

だから、この人選は中村優香以外にありえない。

中村家は校長の急所を確実に押さえている。

「そうですか」白川華怜の視線は二人には向けられず、漆黒の瞳は虚空のある一点に固定されているようだった。「それなら、私が試してみてもいいですか。」

「何を試すの」奥田幸香は思わず口を開いた。「この件は、あなたも山田も関わる必要はないわ……」

言いかけて、奥田幸香は突然白川華怜の言葉の意味に気付いた。

彼女は白川華怜をじっくりと観察した。女子生徒の雪白のワイシャツのボタンは下から上まで几帳面に留められ、袖口と襟には碧緑の竹の刺繍が施されていた。黒い瞳には窓外からの細かな陽光が映っていた。

静かで落ち着いている。

「あなたも梁体字が書けるの？」

「はい」白川華怜は頷いた。

奥田幸香は白川華怜の館閣体の基本的な実力を知っていた。館閣体は良いものの、他の書体の発展には制限がある。

しかし、彼女は生徒の意欲を削ぐような教師ではなく、生徒に機会を与えないということはなかった。