050白井奈月、母と娘の対面_2

中村優香は加藤先生が会議に出なければならないのを見て、携帯を取り出してメッセージを送った——

【先輩、先生が今年の書道賞に出させてくれないんです。説得してもらえませんか?】

相手の返信は遅かった:【君はまだ若すぎるよ、まだ早いんだ。】

——【でも先輩だって18歳で参加したじゃないですか。】

中村優香は唇を噛んだ。

彼女の実力は明らかに加藤京弥と互角なのに、加藤京弥は業界でよく知られていた。それは彼が18歳でノミネートされ、チームが大々的に宣伝したからだ。

加藤京弥は18歳で加藤先生から積極的に推薦されて参加できたのに、自分の番になると先延ばしにされてばかり。

もう少し待って、待てば3年後になってしまう。

彼女は携帯を取り出し、中村修にメッセージを送った——

【先生が今年私の作品を推薦してくれないの。私が先輩の最年少書道賞ノミネート記録を破るのが怖いの?】