055青水晶の花、中村くんも白川くんの字を見に来て(2)_2

ある人は功名を深く隠し、さらりと口を開いた。「いいね」

木村翼は白川華怜の隣に座り、無表情で大辞典をめくっていた。

「冬休みに江渡アプリで地域限定の特訓があるんだ」木村浩は白川華怜のスマートフォンを手に取り、少し確認してから「化学の勉強に役立つよ」と言った。

白川華怜は特訓があることを初めて聞き、考え込んでいた。

午後9時。

図書館が閉まる時間だ。

木村浩は白川華怜が鞄を片付けるのを見ながら、鋭い目を細め、少し考えてから「遠山貴雲が今日たくさんの美味しい料理を作ったよ」と言った。

遠山貴雲は白川華怜が今まで出会った中で最高の料理人だった。

彼の料理について、彼女は少し躊躇したが、それでもサッとカバンのジッパーを閉め、木村浩の方に首を傾げて、少し残念そうに「じゃあ、あなたと木村琴理で食べてください。私はおじいちゃんと一緒に食事をしないと」と言った。