056書道協会!田中くんと一杯_3

今日、明石真治は格闘場で新しい神様の試合を見に行くらしく、木村浩は彼に休みを与えた。

木村浩は昼間に木村家の仕事を処理し、夜は研究所に行かなければならない。木村翼がどうしても白川華怜に会いたがっていたからだ。

安藤宗次は木村翼とも知り合いになっており、この時点で白川華怜と一緒に帰ることに異議はなかった。

清水通りの交差点。

白川華怜と木村翼が車から降りた。

木村翼が路地に向かおうとしたが、白川華怜に首根っこを掴まれて引き戻された。彼女は眉を上げて「お兄さんにさよならを言わないの?」と言った。

木村翼は「……さよなら」と言った。

木村浩は木村翼を冷ややかな目で見てから、白川華怜に「何かあったら電話してくれ」と言った。

やはり木村翼は普通の子供ではないからだ。

木村浩が去った後、白川華怜は彼を連れて路地の中へ歩き始めた。

長く入り組んだ路地には、今日は多くの作業員が街灯を設置していた。

白川華怜は少し意外に思った。

しかしあまり気にせず、安藤宗次の庭に着くと、門が半開きで、中から安藤宗次の明るい笑い声が聞こえてきた。

「田中くん、今夜は必ずここで食事をしていってくれ。私が料理を作るから!」

白川華怜が門を開けると。

安藤宗次が石のテーブルの傍に座り、煙管を手に持って目を細め、深く一服吸いながら「これがまた、銘柄物じゃないのに、今まで吸ってきたどれよりも効くんだ」と言っているのが見えた。

薄い煙が彼の口から漏れ出た。

石のテーブルの上には、ビニール袋に適当に詰められた煙草が置かれていた。

田中局長は外から戻ってきた白川華怜を一目見るなり、目を輝かせて「白川さんがお帰りになりましたね」と言った。

安藤宗次の手が一瞬止まり、煙草を吸う速度が少し遅くなった。

白川華怜は安藤宗次が煙草を欲しがっているのを知っていたが、ただ節度なく吸いすぎるのを制限していただけだった。彼女は田中局長に挨拶をして「木村琴理の部屋の準備をしてきます」と言った。

安藤宗次は煙管で白川華怜の横の部屋を指して「あそこは以前邵軍が住んでいた部屋だ。午後に片付けておいたから、何か足りないものがないか見てくれ」と言った。

二人が話している間、田中局長は口を挟む勇気がなかった。

安藤宗次が「食事で何か苦手なものはありますか?」と聞くまで。