今日、明石真治は格闘場で新しい神様の試合を見に行くらしく、木村浩は彼に休みを与えた。
木村浩は昼間に木村家の仕事を処理し、夜は研究所に行かなければならない。木村翼がどうしても白川華怜に会いたがっていたからだ。
安藤宗次は木村翼とも知り合いになっており、この時点で白川華怜と一緒に帰ることに異議はなかった。
清水通りの交差点。
白川華怜と木村翼が車から降りた。
木村翼が路地に向かおうとしたが、白川華怜に首根っこを掴まれて引き戻された。彼女は眉を上げて「お兄さんにさよならを言わないの?」と言った。
木村翼は「……さよなら」と言った。
木村浩は木村翼を冷ややかな目で見てから、白川華怜に「何かあったら電話してくれ」と言った。
やはり木村翼は普通の子供ではないからだ。
木村浩が去った後、白川華怜は彼を連れて路地の中へ歩き始めた。