059彼は白川華怜がイリジウムを外すのを呆然と見つめた(2/2)_3

彼は加藤正則を見つめ、何か言いたそうにしたが、前回の祖父の態度を思い出し、何も言えなかった。

「うん」加藤正則は頭を下げ、ゆっくりとお茶を一口飲み、まだ玄関を見つめながら言った。「この二、三日は外出を控えて、書道の練習をして、心を磨きなさい」

加藤京弥は中村家の人々に会いに行ったのだ。中村修は彼に加藤正則を説得してほしかった。

しかし、言葉が喉まで出かかったが、言えなかった。

ちょうど階段を上がって書道の練習をしようとした時、門番が一人を連れてきた。「加藤先生、白川くんが来ました」

加藤正則の住まいは誰でも入れる場所ではなく、彼は事前に門番に伝えていた。

白川華怜は敷居をまたいでゆっくりと入ってきた。彼女はカバンを持ち、礼儀正しく加藤正則に挨拶した。「加藤先生」

眉目は物憂げで気ままそうだった。

加藤京弥は白川華怜を知らなかったが、ちらりと一瞥しただけで階段を上がろうとした。

「...まだ図書館にいるのかい?」加藤正則はしばらく沈黙した後、真剣な口調で言った。「今回は三等賞を取れるかどうかわからないよ。今回の書道賞の参加者は多いからね」

階段を上がろうとしていた加藤京弥はその言葉を聞いて、足を止めた。

彼は急に振り返って、加藤正則を見た。「お爺さん、彼女を書道賞に推薦したんですか?」

加藤正則は眉をしかめた。「そうだ。彼女の筆力には特徴があり、お前より意境が優れている」

加藤京弥は白川華怜に目を向け、手すりから手を離し、探るような目で彼女を見つめた。負けず嫌いな様子で「昇級試験の九級は何点だった?」と尋ねた。

この質問を聞いて、加藤正則も白川華怜を見た。

白川華怜の白い顔には表情がなく、ただ軽く眉を上げ、ゆっくりと尋ねた。「何の九級ですか?」

「昇級試験だ」加藤京弥の表情が冷たくなり、白川華怜を見る目がますます冷たくなっていった。探究的な表情が徐々に消えていく。「書道の級、その資格を持っていないのか?」

白川華怜は昇級試験が何なのかさえ分からず、眉をしかめただけだった。「それも資格が必要なんですか?」

資格で何を証明するというのだろう?