060人生を疑う加藤先生!狂気のレンレン

筆を持って大字を書かない人は、手を上げて筆を持つとき、手首を安定させることがどれほど難しいかを永遠に知ることはないだろう。

腕の力は最も基本的な基礎である。

男女には生まれつきの違いがあるため、加藤正則は白川華怜の字を初めて見たとき、男性の字だと思った。

それほど白川華怜の筆力は深いものだったが、今、加藤正則は白川華怜が卵ほどの大きさの金属を外し、静かに脇に置くのを見ていた。

普段は書道で心を落ち着かせている彼だが、初めて何か罵りたくなる衝動に駆られた!

彼は田中局長ではないので、イリジウムを扱うことはなく、イリジウムのことも知らない。

この銀白色の金属は鉄か合金としか思えず、卵大で目測半斤以上、半斤でさえ彼の常識を疑わせるほどだった。

「いや、これは」加藤正則は口を開いたが、どうしても我慢できずに、「半斤もの鉄を手に付けていたなんて...」

そう言いながら、白川華怜が脇に置いたイリジウムを手に取り、重さを確かめようとしたが、途中で言葉を止めた。

「白川くん、これ、どのくらいの重さ?」加藤正則は重さを量りかねて、首を傾げた。

彼はほとんど無表情で尋ねた。

白川華怜はイリジウムを置き直し、再び筆を持ち上げ、質問を聞いて少し首を傾げ、何気なく答えた。「二斤ですよ。」

「に、二斤?」加藤正則は信じられない様子だった。

自分が何を言っているのか分かっているのか?

「そうですよ」白川華怜は筆に墨を含ませながら、加藤正則の言いよどむ様子を見て、眉を上げた。「何か問題でも?」

加藤正則は白川華怜の何事もないような、少し静かな表情を見つめた。

彼女はどうしてこんなにも平然とそれを言えるのだろう?

「腕力を鍛えるには砂袋を付けて、毎日バランスを練習するのが一番いい方法だ」加藤正則は白川華怜を見つめながら、ゆっくりと息を吐いた。「だが、本当にできる人は極めて少ない。私の知る限り、紀伊辰也でさえ一斤の重さの物を持って書くのが精一杯で、それでも彼は非常に優秀だ。それでも一斤だけで、君のように毎日常に携帯しているわけではない。白川くん、これは...」

白川華怜に会う前、加藤正則はこの古い練習方法を使う書道協会の人々について聞いたことがあるだけだった。

現在の書道協会会長もその一人だ。