059彼は白川華怜が白金を取り出すのを呆然と見つめた(2/2)

木村浩は木村翼を一瞥し、「遠山律夫は昼に彼の嫌いな料理ばかり作ったんだ」と言った。

木村翼は極度の偏食家で、普通の人とは全く違う好みを持っていた。

木村家の料理人たちは彼の習慣を知っていて、毎回必ず木村翼が食べられる料理を一、二品は作っていた。

遠山貴雲はそれを知らず、木村翼が何も食べないと知ると、おずおずと偏食の子供は背が伸びないと言い添え、木村翼は一人で今まで拗ねていた。

木村浩は道中ずっと我慢して、彼を叱らなかった。

ただ木村翼が食べない料理のリストを遠山貴雲に渡しただけだった。

白川華怜は頷いた。前回調べたところ、自閉症の子供は変わった性格を持ち、木村翼が食べない料理はほとんど同じタイプのもので、そのタイプの料理に対してトラウマがあるのかもしれない。

だから木村浩でさえ叱るのを我慢したのだ。