島田凜はいつも一人で行動していたが、宮山小町は白川華怜が来てから初めて島田と親しくなった。
白川華怜は席に着くと、ゆっくりとカバンから本を取り出し、後で奥田幸香に住所を聞きに行くことを考えていた。
携帯の画面がまた光った。
今度は加藤正則からのメッセージだった。
加藤先生:【今日の10時に受賞者が発表されるから、すぐに知らせてくれ。】
白川華怜は生物の教科書を取り出し、一瞥して——
【見られません、授業中なので】
彼女は冷静に返信した。
加藤先生:【?】
加藤先生:【陽城市に戻ったの?本当に陽城市に戻ったの?まさか本当に戻ったの?】
加藤正則は立て続けに三回聞いた。
白川華怜:【授業を受けないといけないので】
加藤先生は彼女が賞を取れることを全く疑っていなかった:【でも発表後は授賞式があるじゃないか!授賞式に出なきゃダメだよ!】
【授業はいつでも受けられる!】
白川華怜は冷たく情け容赦なく返信した:【それなら郵送してもらえます】
携帯の向こう。
加藤先生は理解に苦しんでいた。
3年に1度の書道賞なのに、3年前は加藤京弥でさえノミネートだけで最後まで残ったというのに、白川華怜は「郵送」?
賞も受け取らずに郵送してもらうの?
彼は白川華怜が返信しないのを見て、おそらく問題を解いているのだろうと思った。
加藤正則は携帯を手に取り、富田副会長に電話をかけた。
「副会長、」加藤正則は礼儀正しい声で、少し間を置いてから言った:「結果が出たら、すぐに教えてください。」
書道協会書道賞の発表は掲示形式だった。
審査が終わり次第、書道協会の掲示板に貼り出され、2日後に書道協会の公式サイトに掲載される。
今日の10時に、時間通りに掲示される予定だ。
「分かっています、」富田副会長は加藤正則以上に焦っていて、現在8時前だが、すでに多くの人々と共に掲示板の前で待っていた、「あまり心配しないでください。」
電話を切る。
富田副会長は隣の藤野弘を見て、彼の肩を叩いた、「緊張しないで、二等賞は確実だよ。」
藤野弘は微笑んで、注意を逸らそうとした、「そういえば、前にいたあの女子学生は?今日は見かけませんが?」
「帰ったよ。」富田副会長が答えた。
「帰った?」藤野弘は少し驚いた。