063断層 その1(3/2)

島田凜はいつも一人で行動していたが、宮山小町は白川華怜が来てから初めて島田と親しくなった。

白川華怜は席に着くと、ゆっくりとカバンから本を取り出し、後で奥田幸香に住所を聞きに行くことを考えていた。

携帯の画面がまた光った。

今度は加藤正則からのメッセージだった。

加藤先生:【今日の10時に受賞者が発表されるから、すぐに知らせてくれ。】

白川華怜は生物の教科書を取り出し、一瞥して——

【見られません、授業中なので】

彼女は冷静に返信した。

加藤先生:【?】

加藤先生:【陽城市に戻ったの?本当に陽城市に戻ったの?まさか本当に戻ったの?】

加藤正則は立て続けに三回聞いた。

白川華怜:【授業を受けないといけないので】

加藤先生は彼女が賞を取れることを全く疑っていなかった:【でも発表後は授賞式があるじゃないか!授賞式に出なきゃダメだよ!】