安藤秀秋:「……君が楽しければいいよ」
「華怜は行かない」安藤宗次は雑巾を持ちながら、安藤秀秋に刺繍台を運び出すよう頼み、しばらく考えて、「私も一緒に行く」と言った。
安藤蘭に話をはっきりさせたかった。
安藤秀秋は頷き、刺繍台を運びに行きながら、「じゃあ、渡辺さんに返事しておきます」
「おじいちゃん、おじさん、学校行ってきます」白川華怜は今、安藤蘭という名前にとても敏感だった。
彼女と安藤蘭は平行線のようなもので、相手が自分に関わってこなければそれでよかった。
「行ってらっしゃい」安藤宗次は安藤秀秋に気をつけて運ぶよう言いながら、白川華怜に手を振った。「道を渡るときは気をつけてね」
白川華怜が去った後、彼は刺繍台を運び出した安藤秀秋を見つめた。
「本当に立ち退きなの?」