062 華怜さんの奇策、優しい木村坊ちゃま

白川華怜は最後尾を歩きながら、ゆっくりと答えた。「できるだけ頑張ります。」

男子学生は頭を掻いた。

前方では、大勢の人が加わった藤野弘も列の中に女子がいることに気付き、北区書道協会は女子が少ないため、加藤京弥の方を向いて尋ねた。「あの女子のこと、知ってる?」

加藤京弥は後ろを見ずに、ただ頷いた。

「選ばれて参加できるってことは、実力はかなりあるんじゃない?」藤野弘は少し興味を持って、知り合いになりたいと思った。

加藤京弥はそれを聞いて、冷笑した。「九級も取ってないよ。」

「あぁ...」藤野弘は即座に興味を失った。

彼らの一行は誰もが九級で80点以上なのに、九級すら持っていない者が来るとは。

書道協会の門は重厚で厳かで、木製の看板に金色の梁体字、門の幅は八メートルもあり、両側には石獅子が鎮座していて、皆がここで記念撮影をしていた。