064書道史録、彼女を消して_3

書類と資金が文化観光局に届いた時、局長は驚きを隠せなかった。

白川華怜の存在があったとしても、これは異常なほど早すぎた。

ロケットでも、こんなに早くはないだろう!

陽城市に書道協会を設立することは当然中村修の耳にも入り、夜7時近くになって、中村修、加藤正則、文化観光局長が文化観光局の会議室に集まっていた。

加藤正則に会うためだった。

中村修は特に中村優香を連れてきて、来年の推薦枠について加藤正則に相談したいと考えていた。

今回、加藤正則は断らなかった。

「まさか」と中村修は印刷された通知と書類を読み終え、他の二人に劣らぬ興奮ぶりで言った。「陽城市が本当に書道協会を設立することになるとは。お二人は場所は決まりましたか?」

書道協会の設立は、陽城市の文化的価値の証明だった。

そして書道協会からも人員が派遣されて常駐することになり、これは陽城市にとって間違いなく喜ばしい出来事だった。

中村修は加藤京弥が三等賞を取ったことを知っていたが、中村優香が推薦枠の件で最近ずっと不機嫌だったため、中村家では誰も書道賞のことを口にする勇気がなかった。

中村修も加藤京弥が大会に参加することを知らないふりをしていた。

「こちらが谷部部長です。今日から我々の書道協会設立を手伝うために異動してきました。徳の高い先生方が何人か派遣されてくれればいいのですが」と文化観光局長は書類を谷部部長に渡しながら言った。「江渡から先生が来てくれれば良いのですが……」

加藤正則は谷部部長に軽く頷きかけてから、局長の質問について考え込んだ。

「それは先の話すぎます」と加藤正則は書道協会の規則をよく知っていたため言った。「他のどの地域から陽城市に来るにしても、それは左遷と見なされ、ほとんどの人がそれを避けようとするでしょう。だから、最初のメンバー構成は慎重に検討しなければ……」

陽城市の人々は皆必死に試験を受けて出て行こうとしている。

どんな徳高い先生がここに来たがるだろうか。

「優香」と加藤正則は真剣な表情で中村優香を見た。「君と君の先輩を陽城書道協会の第一期メンバーとして登録しよう。」

書道協会や北区書道協会に入るには敷居が高かった。

しかし陽城書道協会は設立したばかりで、当然会員は多くないだろう。