067木村坊ちゃまが怒る:陽城市はいつから任家のものになったのか?(2)

加藤正則が去った時、谷部部長は内心で何となく不安を感じていた。

局長の言葉が終わるや否や、彼の目の前が真っ暗になった。

背中から冷や汗が次々と噴き出した。

「申請者?」谷部部長は数歩離れた事務局長と中村優香の方を向いて、「中村さん、白川華怜はただのあなたの親戚だと言っていたはずですが、どうして申請者になったのですか?」

谷部部長の顔色は鍋底のように真っ黒だった。

せっかく得たこのチャンスが、中村優香の一言で、最も重要な人物を怒らせてしまった。

冷ややかに傍観していた中村修は唇を動かし、不思議に思った:「彼女が……申請者?」

白川華怜は彼の目には書道協会とは何の関係もない人物だったのに、どうして突然申請者になったのか?

安藤家の人々はなぜ一言も漏らさなかったのか?

「中村さん」局長も表情を冷やし、事情を理解したようだった:「今日の開始式は延期します。白川さんがいつ来るか待ちましょう」