067木村坊ちゃまが怒る:陽城市はいつから任家のものになったのか?(2)_2

安藤秀秋は慌ててソファから立ち上がり、ドアを開けた。

やはり白川華怜と安藤宗次だった。

白川華怜の隣には子供が一人いた。

「あっ——」安藤秀秋はその夜会った木村翼だと気づき、道を開けた。「坊や、来てくれたんだね?」

木村翼は頷いた。

無口な子だった。

水島亜美は木村翼を見たことがなく、こんなに可愛らしい子供を初めて見て、どう接していいか分からず、ぶどうを洗って白川華怜と木村翼に出した。

「午後も釣りに行くの?」安藤秀秋は安藤宗次が釣り竿を持っているのを見た。

安藤宗次は釣り竿を置きながら、「田中くんがいい釣り場を見つけたんだ。午後に試してみようと思って」と言った。

「いいね、じゃあ俺も行くよ。夜は長邦をここで食事させよう」安藤秀秋はここ数日授業が少なく、立ち退き問題で頭を悩ませていたので、安藤宗次と一緒に釣りに行くのが好きだった。

そう言うと、彼は台所で水島亜美と一緒に忙しく立ち回った。

安藤宗次はタバコを吸おうと思ったが、木村翼の方をちらりと見て、我慢した。

安藤秀秋の家のリビングは狭く、換気もあまり良くなかった。

古い携帯が鳴り、安藤智秋からの電話だった。彼は空の煙管を持ちながら電話に出た。

「父さん」電話の向こうで、安藤智秋は落ち着いた声で、「華怜はいるか?」

「いるよ」

安藤智秋は少し間を置いて、「中村家に来たいか聞いてくれ」

この言葉を聞いて、安藤宗次は眉をひそめ、白川華怜の方をちらりと見た。父の意図を理解し、華怜に聞くことなく直接「来ない」と答えた。

彼は電話を切った。

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「聞こえましたか?」中村家で、安藤智秋は携帯を机の上に置き、中村修の方を見た。「彼女は来ないそうです」

傍らで、中村修は安藤智秋に向かって、珍しく良い表情を見せた。「まったく、山田くんの一つの過ちで、私たち二家がこんなに気まずくなってしまった」

安藤智秋は中村修を見つめたまま、何も答えなかった。

「優香」中村修はようやく中村優香の方を向いた。「どうあれ、お前はいとこに謝罪しなければならない。なんとかしていとこに許してもらうように」

中村優香は一言も言わず、立ち上がってそのまま階段を上がった。