068中村修停職、特級会員!_2

「嘘をついてないでしょうね?」水島亜美は木村浩にお茶を差し出した。

木村浩はソファに座り、イオンモールのロゴが入った新しいカップを受け取り、優雅に息を吹きかけて一口飲んだ。「もちろんです」

木村浩は人を騙すのが上手かった。

彼はただそこに座っているだけで、千軍万馬に匹敵する存在感があった。空の太陽が四角いと言っても、水島亜美は彼の言葉に一理あると思ってしまうほどだった。

「それならよかった」水島亜美は目を輝かせ、また木村浩の情報を聞き出そうとした。「木村くん、出身はどちらですか...」

「......」

白川華怜は横で聞いていて頭が痛くなってきた。

「おばさん、私たちこれから下見に行かないといけないので」彼女は木村翼を引っ張り上げた。「もう行きます」

「あら——」水島亜美は玄関から大声で叫んだ。「翼芽ちゃん、今度はお姉ちゃんと一緒に遊びに来てね!」

白川華怜に引っ張られている木村翼は苦労して振り返って水島亜美を見た。

階下に着いてから、白川華怜はようやく彼を放した。木村翼は団地に入ってきたばかりのショベルカーを長い間見つめていた。

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白川華怜は午後、図書館に行かなかった。

明石真治は彼女が指定した住所まで車を走らせた。

東区の古い街並みだった。車を停めて顔を上げると、荒れ果てた小さな四合院が目に入り、彼は驚いて「これは...」と言った。

木村浩も車から降り、門前に立って、半ば垂れ下がった看板を見上げた——

【形意道場】

四合院全体はかなり広く、およそ五、六畝ほどあった。

しかし、ほぼ郊外に位置しており、通行人はほとんどいなかった。

門は重厚な赤榆の大門で、四つの門飾りは色あせていたものの、牡丹の模様がまだ見て取れた。青銅の門環は本来の色を失っていた。

白川華怜は階段を上がり、門環を三回軽く叩いた。

誰も出てこなかった。

「金子師匠を探してるの?」電動自転車に乗った男性が通りかかり、タオルで汗を拭いながら笑顔で言った。「彼は建設現場に仕事に行ってるはずだよ。たぶん夜の10時くらいまで帰ってこないと思う」

白川華怜は伊藤満から既に道場が閉鎖されたことを知っていた。

しかし、道場の主が建設現場で働いているとは、まったく予想していなかった。

「ありがとうございます」彼女は手を下ろし、男性にお礼を言った。