事務局長と谷部部長は木村浩のことを知らなかったが、知らなくても、ドアを開けた瞬間から強烈な威圧感を感じた。
その圧迫感で頭も上げられないほどだった。
木村浩の後ろについていた明石真治は、生まれてこのかた。
以前、木村浩に大学に行かない方がいいと言われた時でさえ、こんなに強い威圧感を感じたことはなかった。
陽城市は中村家のものだと?
明石真治は彼らがどうしてそんなことが言えるのか理解できなかった。
彼は手を伸ばし、事務局長と谷部部長を一人ずつ掴んで放り出した。「先にお入りください。私が処理します。」
木村浩にこの件を処理させたら、中村家は皮を一枚剥がされることになるだろう。
木村浩が入った後。
明石真治は頭を下げ、事務局長と谷部部長を一瞥した。「田中長邦の部下か?」