八仙卓の上で、白川華怜以外の全員の視線が、無意識のうちに木村浩の顔に集中した。
彼の顔は、白川華怜と同様に人を欺くような顔立ちで、まともに書道ができそうな人には見えなかった。
しかし、なんと彼は何気なく書道協会の話を切り出したのだ??!
しかも特級会員だと?
書道協会の特級会員は全部でたった五人しかいないのに!
会長以外は、皆が隠遁生活を送っており、作品は見かけても本人に会うことは稀で、書道協会の会員でさえこれらの上級会員に会うのは難しいのに、目の前のこの人が、その一人だというのか?
傍らで、藤野悟志は雷に打たれたかのように固まっていた。
思わず木村浩の方を覗き込んだが、その淡い瞳と目が合うと、すぐに視線を逸らした。
「何か問題でも?」長い沈黙の後、木村浩は眉を上げた。