081それは試験問題の限界であって、白川華怜の限界ではない!(2/2)_3

これは安藤蘭のSNSを見た時のことだった。

「転科?」ずっと黙っていた白井沙耶香が意味深な声を出した。

松木皆斗も黙っていた。

白川明知は白川華怜がクラス1から追い出された件を思い出し、眉をひそめた。

大叔父は笑顔で丸く収めようとした。「ほう?彼女は沙耶香より上手なのかな?」

白川執事は苦笑いを浮かべた。

比べものにもならないだろう。

「もういい」白井沙耶香は階段を上りながら言った。「誰かと私を比べないで」

「もちろんです。お嬢様は藤野院長の一次面接に合格されたのですから、比べようがありません」自分の言葉が多すぎたと気づいた白川執事は、急いで話題を変えた。

その場にいた誰も、白川華怜の今の生活に興味を示さなかった。

後ろで、白川明知は白井沙耶香の後ろ姿を見て、ますます満足げな表情を浮かべた。彼は松木皆斗に向かって言った。「お前たち、この二日間は統一試験だろう?去年は沙耶香の兄が北区の首席だったな。今回はお前に期待するぞ」

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木曜日。

午前中は理科総合。

白川華怜は大きな理科の試験用紙を見つめ、まず化学と生物を飛ばして物理を解き始めた。

物理は数学と同じくらい難しかった。

しかし彼女は相変わらず素早く解いていった。

物理を終えてから、ゆっくりと生物の問題を探し始めた。生物は遺伝学が最も得意で、この日も問題を解きまくっていた。特に難しい問題でも、一つか二つは解けた。

自分の解ける問題をすべて解き終えた。

残るは化学だけ。

少し黙ってから、第一問を見た——

【光学性能に優れた高分子材料ポリカーボネートイソソルビドは以下の反応で合成される……】

白川華怜:「……」

なんだこれ、さようなら。

まだ時間が早く、こんなに早く提出するわけにはいかない。

彼女はさっぱりと理科の試験用紙を脇に置き、下書き用紙を取り出して昨夜見た化学反応式を書き始めた。木村浩は化学は最初から問題を解く必要はないと言っていた。

まずすべての反応式を覚える。

彼女は化学元素をすべて書き出し、塩化ナトリウムと水酸化ナトリウムの反応から不動態化現象まで書いた。

書き終わった頃にちょうど提出時間となり、解答用紙を提出した。

午後、英語の試験が終わった。