教育委員会からの情報は学校と担任まで正確に届いていた。
氏名:白川華怜
クラス:陽城第一高校3年35組
担任:奥田幸香
学籍番号:20145……
科目、成績、順位
国語、150、1
数学、150、1
……
国際クラスの担任は上位2つの1位を一目で確認した。
氏名の欄に目を戻すと——
「白川華怜」。
「この名前は」彼は眉をひそめた。「白川家のあの子と同じだな」
白川家の人は以前コネを使って白川華怜を彼のクラスに入れたが、初日の授業で恥をかかせた。高校生なのに何も知らず、国際クラスの足を引っ張るばかりだった。
彼は一日も我慢できず、すぐに文系クラスに追い出した。
でも同姓同名のはずだ。
まさか、女子生徒だったとは。
数学の成績は本当に素晴らしい。
「理科総合はたった182点か」担任は一瞥して、そこまで危機感を感じなかった。
松木皆斗より100点近く低いじゃないか。
国際クラスの担任は、これが自分の知っている白川華怜だとは全く思わなかった。以前の白川華怜はカンニングで退学したことは知っていたが、退学後どこへ行ったかなんて……
そんなことに関心を持つわけがないだろう?
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陽城第一高校。
校長は二人の生徒のために横断幕を掲げたいくらいだった。
「よし、よし、共同試験は続行だ。みんなにこの良い知らせを伝えよう」校長室で、彼は教育委員会からの電話を受けながら、奥田幸香を見て、数言を言い終えると電話を切った。
「奥田先生」校長は笑みを絶やさず、「十校共同試験は中止にはなりませんでした」
この点について、校長も奥田幸香も全く驚いていなかった。
白川華怜が突然現れたことは、北区のそれらの学校も予想していなかっただろう。彼らは他校が十校ランキングにほとんど影響を与えないと考え、共同試験の進行を遅らせているとして中止を決めたのだ。
今となっては進行が遅れる?
ランキングに影響がない?
その「150」点を見て、十校の責任者は一言も言えなくなった。
「白川くんは湯川プロジェクトへの参加を望んでいないと聞きました」奥田幸香は校長の向かいに座り、少し考え込んだ。
「えっ?」
奥田幸香は落ち着いていた。「白川くんは、湯川プロジェクトが提示した10の専攻はどれも好きではないと言っています」
校長:「……?」