087江渡大学、華怜が動く(2更)_2

遠くない場所で。

二人を大人しく待っていた空沢康利と畑野景明は、白川華怜への崇拝の念が百倍に膨れ上がった。

勇敢すぎる。

木村坊ちゃまを列に並ばせるなんて、よくそんな度胸があるものだ。

「昨日の問題、解けた?」白川華怜は彼らの向かいに座り、指でテーブルを叩いた。

二人とも黙り込んだ。

なるほど。

白川華怜も一時的に理解に苦しみ、どうしようもなく「もう二人とも終わりだね」と言った。

木村浩は注文票を持って戻ってきた後、向かいの二人の解答過程をチェックした。畑野景明はまだマシで、解けなかったものの、過程と大まかな方向性は合っていて、最後の公式が使えなかっただけだった。

空沢康利の方は評価が難しかった。

問題を解いている途中で、ある数字を間違えて入れたせいで、とんでもない方向に逸れてしまったからだ。