遠くない場所で。
二人を大人しく待っていた空沢康利と畑野景明は、白川華怜への崇拝の念が百倍に膨れ上がった。
勇敢すぎる。
木村坊ちゃまを列に並ばせるなんて、よくそんな度胸があるものだ。
「昨日の問題、解けた?」白川華怜は彼らの向かいに座り、指でテーブルを叩いた。
二人とも黙り込んだ。
なるほど。
白川華怜も一時的に理解に苦しみ、どうしようもなく「もう二人とも終わりだね」と言った。
木村浩は注文票を持って戻ってきた後、向かいの二人の解答過程をチェックした。畑野景明はまだマシで、解けなかったものの、過程と大まかな方向性は合っていて、最後の公式が使えなかっただけだった。
空沢康利の方は評価が難しかった。
問題を解いている途中で、ある数字を間違えて入れたせいで、とんでもない方向に逸れてしまったからだ。
この二人が共に110点を取れたと知ってから、木村浩は今では冷静に二人に向き合えるようになっていた。彼は問題に目を通した。
「パン」という音を立てて置いた。
「二人とも、どの大学を目指すつもり?」木村浩はただそれだけを尋ねた。
畑野景明は真剣に考えて「北区大...」
木村浩は何も言わず、ただ冷たい目で彼を見つめ、「もう一言言ってみろ」という表情を浮かべた。
畑野景明は少し躊躇した後、突然大胆になって「人、人...」
また一つ鋭い視線が飛んできた。
それはすでに全国ランキング上位3位の大学だった。
「あ」畑野景明は非常に躊躇しながら、木村浩を見て、突然気づいたように「もしかして、江渡大学を目指すべき?」
「私が聞いてるのか、お前が聞いてるのか?」木村浩は呆れて笑った。
畑野景明は急いで「江渡大学を目指します」と言った。
木村浩は彼の隣の空沢康利を見た。
空沢康利は自分を指さし、呆然とした表情で「僕も、僕も受けられるの?」
——「あ、違う違う、説明させてください。僕も受けます!はい、僕も受けます!」
白川華怜は問題を解きながら、向かいの二人の様子を見たくもなかった。
書いている最中。
携帯が一度光った。
渡辺泉から送られてきたメッセージで、渡辺泉が白鳥春姫の情報を調べたという内容だった。
白川華怜はすぐに開いた。
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同時刻。