「やあ、大丈夫だよ。一年後にまた会おう」森園雄は気さくな様子で、山田の肩を叩いた。
田中局長が彼らに許可を出し、大勢の人々が留置所に集まっていた。
彼はにこにこと笑い、いつもと変わらない表情を見せていた。
畑野景明は寡黙で、ただ山田を見つめながら、「お前も今では本当の良い人間になったな」と一言だけ言った。
「そうそう」宮山小町は大量のノートと問題集を机の上に置きながら、「遠山律夫さんが言ってたけど、法政大学を受けるんでしょう?警察に確認したら、服役中も勉強できるそうだから、これ全部私たちが用意した教材よ。しっかり勉強してね」
山田は口を開けたまま、一分も笑顔を保てなかった。
うつむいて、山積みの本とノートを見つめた。
「時間を見つけて勉強するんだぞ」白川華怜は部屋の中で唯一の椅子に座り、長い脚を適当に組んで、腕を椅子の背もたれに軽く当てながら、目を細めて、いつもの調子で言った。「一週間おきに、私と木村先生が補習に来て、勉強の成果を確認する」