「やあ、大丈夫だよ。一年後にまた会おう」森園雄は気さくな様子で、山田の肩を叩いた。
田中局長が彼らに許可を出し、大勢の人々が留置所に集まっていた。
彼はにこにこと笑い、いつもと変わらない表情を見せていた。
畑野景明は寡黙で、ただ山田を見つめながら、「お前も今では本当の良い人間になったな」と一言だけ言った。
「そうそう」宮山小町は大量のノートと問題集を机の上に置きながら、「遠山律夫さんが言ってたけど、法政大学を受けるんでしょう?警察に確認したら、服役中も勉強できるそうだから、これ全部私たちが用意した教材よ。しっかり勉強してね」
山田は口を開けたまま、一分も笑顔を保てなかった。
うつむいて、山積みの本とノートを見つめた。
「時間を見つけて勉強するんだぞ」白川華怜は部屋の中で唯一の椅子に座り、長い脚を適当に組んで、腕を椅子の背もたれに軽く当てながら、目を細めて、いつもの調子で言った。「一週間おきに、私と木村先生が補習に来て、勉強の成果を確認する」
もちろん、これは木村浩が山田のために取り付けた特別措置だった。
通常は二週間に一度しか面会が許可されないが、山田が学生であることを考慮して。
向上心があるということで、面会権が一回増やされた。法は厳格だが、人情味もある。
「え?」山田は全く予想していなかった。中で勉強することはまだしも。
白川華怜と木村浩が補習に来てくれるなんて?
……木村浩?
自分を見るのも嫌がっていた人が補習に来てくれる?
白川華怜は顔を上げ、とても落ち着いた様子で彼を一瞥し、まるで「何か質問でも?」と言わんばかりだった。
山田:「……」
いや、質問はありません。
みんなは山田の時間を長く取らなかった。クラスメート全員を代表して山田を見舞いに来ただけで、この後は山田の家族のための時間を残しておかなければならなかった。
少年少女たちは楽しそうに談笑し、まるでいつもと変わらないかのようだった。
面会時間はすぐに終わり、一人また一人と外に出ていった。
白川華怜は出る前に、彼の肩を軽く叩いて「怖い?」と聞いた。
山田のまつげが微かに震えた。