102華怜の実力、高冷ツンデレな木村坊ちゃま_2

ランスは安藤宗次に勝てず、木村翼を見て目を輝かせ、安藤宗次を追い払って、木村翼と対局したいと言った。

木村翼は五目並べをやったことがなかったので、安藤宗次は煙管を持ちながら、ルールを説明した。

3分後。

ランス:「……?」

もう一度。

2分後。

ランス:「?」

もう一度。

1分後。

ランス:「(微笑)」

木村翼は白い石を片付けながら、やっと自信がついてきた。

石のベンチに座り、腕時計を確認しながら、木村浩にメッセージを送った。

木村翼はまず試しに:【、】

携帯の向こうで、木村浩はまだ実験室にいた。明日の朝、白川華怜と一緒に山田の野郎に会いに行かなければならないので、今日は実験室の仕事を急いでいた。

B区の実験室は年中恒温で、実験室の汚染を防ぐため、中にいる全員が白衣を着用していた。

彼は検出器の前に立ち、少し身を屈めて、装置上の暗物質粒子質量と散乱断面図を見ていた。

後ろには数人が立っており、山田文雄は特に興奮していた。「反同時計数検出の感度が非常に高いですね。海外の多くの実験室から問い合わせの電話が……」

木村浩は少し顔を横に向け、冷たい光を放つ眼鏡越しでも彼の鋭い視線は隠せなかった。長く白い指で山田文雄から渡された書類を受け取った。

何も言わず、ただ軽く手を上げた。

他の人たちはすぐに理解し、帰っていいということだった。

携帯が光り、木村浩は携帯を手に取った。木村翼が送ってきたコンマだった。

木村浩:【?】

木村浩が今時間があることを確認して、木村翼は白川華怜のところへこっそり写真を撮りに行った。

木村翼:【[画像]】

木村翼:【、】

木村浩はD区の休憩室に向かいながら、画像を開いて見た。画像には整然とした文字の列があった。文字というのも正確ではない。

この文字列を見て。

木村浩は足を止めた。後ろにいた助手は突然立ち止まった木村浩にびっくりして。

何歩も後ずさりし、そっと顔を上げて、こっそり様子を窺った。

木村浩は指先でその文字列を軽くたたいた。

しばらくして、ようやくゆっくりと木村翼に返信した——

【字が読めない子】

【これは減字譜だよ】

彼の後ろで、助手は不思議そうに、木村坊ちゃまの機嫌が良くなったように見えた。とても良いとは言えないが、いつもより人間味があり、生活感が感じられた。