102華怜の実力、高冷ツンデレな木村坊ちゃま_3

白川華怜が先に出て行った。

木村浩は彼女の後ろについて行った。

山田は普段おしゃべりだが、白鳥春姫の前では言葉が出てこない。白鳥春姫自身も冷たい性格で、前回白鳥春姫が両親と一緒に来た時も、二人はほとんど言葉を交わさなかった。

木村浩は白川華怜の後ろに立ち、ドアを閉めようとした時。

彼は山田を見て、そして白鳥春姫を見て、突然口を開いた:「山田、怪我は治ったか?」

山田は一瞬固まった。

白鳥春姫は山田を見て、そして木村浩を見た。

「彼は前回草刈新堂と喧嘩して、内臓に重傷を負って、今でもまだ治っていない」木村浩は山田が同房者に殴られた場所を指さし、優雅に出て行った。

山田はお腹に手を当て、そして心配そうな白鳥春姫を見上げた。

目から鱗が落ちた。

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安藤秀秋が買った新居は岸元団地にある。

市街地環状通りにあり、清水通りからも近く、11棟101号室。

団地は以前より新しく、建ってから数年しか経っていない。一棟12階建てで、入居率はそれほど高くなく、不動産価格も高くない。一平方メートルあたり3000元ほどで、安藤秀秋と水島亜美は1階を購入した。

白川華怜と木村浩が到着した時、安藤秀秋の家にはすでに多くの人が集まっていた。

田中局長は安藤秀秋の同僚と将棋を研究し、安藤宗次は煙管を持って横たわりながら指示を出していた。

安藤秀秋の家には二人の学生もいて、木村翼と遊んでいた。主に木村翼がブロックを組み立てたりルービックキューブを解いたりするのを感心して見ていた。

安藤智秋はキッチンで安藤秀秋の手伝いをし、水島亜美は大病から回復したばかりで、帽子をかぶって、リビングでお客さんをもてなしていた。

それほど広くないリビングは人でいっぱいだった。

ドアが開くと。

水島亜美は白川華怜と木村浩を見て、二人を招き入れ、ドアを閉めた。「華怜、木村くん、来てくれたのね」

田中局長の隣に立っていた安藤宗次は思わず顔を上げた。

ちょうど木村浩と目が合った。

賑やかだったリビングは一瞬にして冷たい風が吹き抜けたかのようになった。

田中局長はまだ振り返っていなかったが、手は無意識に宙に止まった。これまでの経験から、誰かが来たのだろうと察した。

彼は少し首を傾けた。

案の定、気品のある木村坊ちゃまが白川華怜の一歩後ろに立っているのが見えた。