096黒水通りに新王誕生！_3

「ツー」

審判が二つ目のカウントを数えた。

白いタンクトップの男は指を動かし、ただ一言、陽城市の者は——

立ったまま死ねても、決して倒れはしない！

彼は地面を支えながら、ゆっくりと少しずつ立ち上がった。

血が首筋から白い服の裾まで流れていた。

「ワン！」

審判は白いタンクトップの男の手を掲げ、興奮して叫んだ。「白タンクトップの勝利！」

この瞬間、会場にいる人も、テレビの前の視聴者も、全員が立ち上がった。木村浩と白川華怜も例外ではなかった！

「わあああああ！」

「わあああ！」

「……」

「観客の興奮した声が聞こえています。白タンクトップの選手がやり遂げました！人間の意志の力は私たちの想像を超えています！白タンクトップの選手は二ヶ月で新記録を作り出し、スノーウルフに次ぐ二人目となりました！！」

「黒水通りのリングに臆病者はいない！白タンクトップとブラックパンサーは永遠の戦士だ！次の対戦を楽しみにしましょう！」

リングに敗者はいない。リングに立つ勇気のある者は皆が勇士だ。

今日、黒水通りの八角ケージは血に染まり、黒水通りの新たな無冠の王が誕生した！

カメラの前で、白タンクトップは身を屈め、血まみれの手をブラックパンサーに差し出した。

ブラックパンサーは苦しそうに笑いながら、右手を上げた。

生中継の映像は、この世紀の握手のシーンで止まった。

**

興奮冷めやらぬリング戦が終わり、会場の観客はまだ血が沸き立っていた！

木村浩はまだその場に立ち、しばらくリングを見つめた後、やっと視線を外し、興奮している明石真治をちらりと見て、物憂げに目を細め、評価した。「目が利くな」

「はい」明石真治は拳を握りしめ、浅黒い顔が興奮で赤くなっていた。

彼は木村浩と白川華怜について行きながら、何度もリングの方を振り返った。

「激しい試合だった」田中局長は明石真治の横に立ち、冷や汗で服が濡れていた。二人は白川華怜と木村浩より数歩後ろを歩いていた。「木村坊ちゃまは彼が惨めな勝ち方をすると言っていたが、こんなに惨めだとは思わなかった」

最後は誰が立ち上がれるかの勝負だった。

「そういえば」田中局長は前の数人の隙間から木村浩の背中を見て、「木村坊ちゃまはどうやって彼が勝てると分かったんでしょうか」

明石真治は首を振った。

外で。