112 MTR特製薬、華怜の恐ろしい人脈(2)_2

「明日の朝八時半です。これが中村修の最短の時間です」

「ありがとう」安藤蘭は電話を切った。

傍らで、渡辺助手と中田先生は二人の会話を聞いて、沈んだ心はまだ落ち着かない。黒水通りで必要な毒素が見つかるかどうかはまた別の問題だった。

それに、黒水通りのような場所は……

完全武装して行かなければならない。

渡辺助手は安藤蘭を見て、少し考えてから言った。「中村お爺さんに、近くに知っている傭兵がいないか聞いてみてください」

傍らで、白川華怜は壁に寄りかかっていた。

彼女は淡々とした表情で、まつげを下げ、右手でスマートフォンを回しながら、前後の状況を整理していた。

約3分後、彼女は顔を上げ、中田先生を見て尋ねた。「そのマススペクトロメーターは持ち出せますか?」

マススペクトロメーターは木村浩が病院に研究用として寄贈したものだった。