白川華怜が来ると、金子武人と明石真治は忙しさから解放された。明石真治は白川華怜の側に歩み寄り、「白川さん」と呼びかけた。
「武器はまだ半分以上が特注品で完成していません」武器ラックを見つめる白川華怜に向かって、金子武人は汗を拭いながら進捗を報告した。「来週には全て揃う予定です…」
報告が終わると、金子武人は宮山小町を連れて内部撮影に向かった。
白川華怜は振り向き、ゆっくりと視線を明石真治に向けた。目が少し細められていた。
普段はのんびりとした彼女だが、今の彼を見る目には鋭さが宿っていた。明石真治は緊張して俯き、その視線と合わせる勇気が出なかった。
白川華怜は右側の木の杭の傍に歩み寄り、明石真治に顎をしゃくって言った。「梅花杭を歩いてみて。内なる力を意識するのよ」