119きっと私の物理が足りないせいだ。_2

「一回目は確か四百点台だったな」渡辺泉は初めて会った時のことを思い出した。安藤宗次が白川華怜の保護者会に来た時のことだ。「江渡大学か...難しいな。附属中学校で来年、浪人生を受け入れるかどうか確認してみたら?」

白川華怜の現在の成績では確かに江渡大学には合格できない。二人は来年どこで浪人するか話し合っていた。

安藤蘭が戻ってくるのを見かけた渡辺泉は、話題を変え、彼女の前で白川華怜のことをこれ以上話さなかった。「大学院試験の準備はどう?どの先生の研究室に行くつもり?」

彼は安藤蘭が白川華怜の江渡大学受験に反対するだろうと見込んでいた。

渡辺文寺は大学三年生で、まだ推薦入学の条件を満たしていなかった。物理学科の二つのプロジェクトに参加しただけで、来年大学院を受験する予定だった。「まずは合格してからだね」