白川華怜は先生たちが自分の成績について話し合っていることを知らなかった。
彼女は今タピオカ店で本を読んでいた。遠山貴雲がケーキを持って向かい側に座り、新商品を勧めながら、彼女が持っているA4用紙の束に目を留めた。
何気なく一目見たつもりだった。
その内容を見た後、遠山貴雲は自分のケーキで咽せ、すぐにナプキンを取り出して口元を拭った。「レビュー論文を読んでるの?」
彼が卒業してからこんなに経つのに、今の学生たちはここまで頑張っているのか?
修士課程どころか、大学にも入っていないのに、もうレビュー論文を読み始めているなんて?
白川華怜は一ページめくって、「うん」と答えた。
木場院長から送られた圧縮ファイルと、何ページもある専門書。この二ヶ月は物理の問題を解く時間を減らし、空き時間にレビュー論文を読んでいた。専門書はまだ一冊も買っていない。
英語と同じように、専門用語を蓄積していくだけ。
遠山貴雲は「あぁ」と声を上げ、突然口を開いた。「君と木村坊ちゃまが補習する時、僕も連れて行って」
他人の生徒は高校三年生でレビュー論文を読んでいる。
彼の不肖の弟子は高校三年生で高校一年生の単語を覚えている。
「一昨日行ったばかり」白川華怜は顔を上げて言った。「これから私たち二人しばらく休むの」
期末試験が終わったら彼女は短期間陽城市を離れる予定で、山田の方は木村浩に実験室のメンバーに数週間代わってもらうように頼んでいた。
遠山貴雲は携帯を取り出し、慎重に木村浩に数言尋ねた後、まるで山田であるかのようにケーキを思い切り噛みついた。
白川華怜:「……」
彼女は心の中で山田に申し訳ないと謝った。
午後最後の試験は英語だった。
白川華怜は語彙力が豊富で、リーディングとリスニングはほとんど問題なかった。唯一問題があるのは英語の選択問題と空所補充だった。
こんな感じだった。彼女の英語の問題——
——あなたたちいつ帰って来て食事するの?
——私たち_帰ります
A今 B すぐに C しばらくしたら D 即座に
これまでの得点の大部分がこのタイプの問題で失われており、今回も白川華怜の予想通り、一目見ただけでこのような問題が何問もあった。
彼女は文法や時制をほとんど学んでおらず、単語を覚えて原文を聞くだけでも大きな挑戦だった。
全ての問題を解き終えた。