122 博様を呼び出し、包囲網を突破する(2)_2

【……】

「三次元が忙しいんだろう」松木皆斗も分からなかった。スマホのバックグラウンドを開くと、毎週のように白川博にメッセージを送っていたが、何十件送っても相手は一度も見ていなかった。

最近ではアプリにすらログインしていない。

「そうだね」白井沙耶香が頷いた。「きっと某研究室のメンバーなんだよ。私たちみたいな素人なんて眼中にないんでしょうね」

どこの研究室から現れた天才なのか分からないけど。

「今回の統一試験は江渡が出題したの?」松木皆斗は画面に戻りながら、冷たい声で言った。

「難しいって聞いたわ」北区第一中学校は情報が早いことで知られていた。白井沙耶香も先生から聞いていた。彼女は笑って言った。「でも今回は総合的な内容だから、数学は前回のような関数偏重じゃないわ。安心して、あなたの得意分野よ」

もちろん。

二人は想像もしていなかった。

今回彼らが心配すべきは、数学だけではないということを。

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一週間後、渡辺泉は江渡に戻って結婚式の準備を始めた。

宮山小町の動画が公開されてから再び話題になり、フォロワーが1000万人まで増え、形意道場もそれによって少し名が知られるようになり、多くの師範が応募に来て、新しい生徒も入門した。

そして明石真治は毎日梅花桩の上で拳法の練習を続けていた。

陽城第一高校の期末試験がついにやってきた。

毎年の期末試験に生徒たちは期待と緊張を感じていた。

「静かに」奥田幸香は教壇に立ち、厳しい表情で言った。「明日の試験はかなり難しくなります。分からない問題があったら飛ばして、次の科目に影響が出ないようにしてください。これはあなたたちの今年を左右する重要な試験です。分かりましたか?」

「はい」15組の生徒たちは長く伸ばした声で答えた。

山田がいなくなって、15組から活気が失われた気がした。森園雄たちもバスケをしなくなった。

奥田幸香は白川華怜と畑野景明に目を向けた。二人とも静かに問題を解いていて、彼女はゆっくりと落ち着いていった。

期末統一試験は依然として大学入試と同じ制度だった。

初日の午前中は国語。

試験が終わると15組の生徒たちは一気に元気をなくした。

「今回いったい誰が出題したんだろう?」宮山小町は昼食時に白川華怜に愚痴をこぼした。「この古文、誰が理解できるっていうの?」