122 博様を呼び出し、包囲網を突破する(2)_2

【……】

「三次元が忙しいんだろう」松木皆斗も分からなかった。スマホのバックグラウンドを開くと、毎週のように白川博にメッセージを送っていたが、何十件送っても相手は一度も見ていなかった。

最近ではアプリにすらログインしていない。

「そうだね」白井沙耶香が頷いた。「きっと某研究室のメンバーなんだよ。私たちみたいな素人なんて眼中にないんでしょうね」

どこの研究室から現れた天才なのか分からないけど。

「今回の統一試験は江渡が出題したの?」松木皆斗は画面に戻りながら、冷たい声で言った。

「難しいって聞いたわ」北区第一中学校は情報が早いことで知られていた。白井沙耶香も先生から聞いていた。彼女は笑って言った。「でも今回は総合的な内容だから、数学は前回のような関数偏重じゃないわ。安心して、あなたの得意分野よ」