136大学入試の首席を賭ける_2

「モデルは自分で作ったもので、レポート全体が専門的な用語を使い、論理的で、99点です」と、何度も驚かされた教授は高得点をつけた。

満点をつけなかったのは、誰にでも向上の余地があるからだ。

「ありがとうございます」白川華怜はお辞儀をした。

これで最後のグループの発表が終わった。

教授たちは立ち上がって次々と退室していった。後ろのドアは開いていたが、教授たちは全員前のドアから出て行き、白川華怜の前を通る時には皆、好意的に頷いて挨拶をした。

これは高校三年生にして粒子波のモデリングに参加できる学生なのだ。

もしかしたら次の山田文雄になるかもしれない。

外に出てから、教授たちは小声で話し合った。「彼女は誰だ?今まで全く聞いたことがないが、おかしいな」

当時、山田文雄は高校三年生で、優秀すぎたため江渡附属中学校に引き抜かれたのだ。

しかし白川華怜は本当に突然現れたような存在だった。

「木場院長」高橋謙治はようやく我に返り、スマートフォンをしまって木場院長を追いかけて出て行った。

教授たちは皆出て行った。

教室はまだ静かで、浪川輝明を含め誰も声を出さなかった。

白川華怜は今日は何も持ってきていなかった。

彼女は席に行き、椅子に置いてあったダウンジャケットを取り、ゆっくりと着て、大野旭たちがまだ反応していないのを見て、畑野景明に目配せをして、先に出て行った。

彼女が出て行くと、大野旭はようやく我に返った。

彼は左の藤田道夫を見て、右の空沢康利を見て、「藤、藤田、空沢、お前ら今の...今の聞いたか?」

大野旭は空沢康利の手首を掴んでいた。

藤田道夫は普段から精神的に強かったが、この時は大野旭と同じように信じられない思いだった。

まるで、一緒に屋台で食事をする友達が、ある日突然平然と「ビル・ゲイツと商談してきた」と言うようなものだった。

「白川さんは...お前の憧れの人と、一緒に数学モデルを作ったんだ。俺たちが使ったモデルは、彼らが協力して作ったものなんだ」

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博源塾の大通りで。

高橋謙治は木場院長を追いかけて出てきた。「木場院長、もうお帰りですか?」

彼を見て、木場院長の隣の教授は笑いながら高橋謙治に場所を譲った。

「何か用かね?」木場院長は立ち止まった。