136大学入試の首席を賭ける_2

「モデルは自分で作ったもので、レポート全体が専門的な用語を使い、論理的で、99点です」と、何度も驚かされた教授は高得点をつけた。

満点をつけなかったのは、誰にでも向上の余地があるからだ。

「ありがとうございます」白川華怜はお辞儀をした。

これで最後のグループの発表が終わった。

教授たちは立ち上がって次々と退室していった。後ろのドアは開いていたが、教授たちは全員前のドアから出て行き、白川華怜の前を通る時には皆、好意的に頷いて挨拶をした。

これは高校三年生にして粒子波のモデリングに参加できる学生なのだ。

もしかしたら次の山田文雄になるかもしれない。

外に出てから、教授たちは小声で話し合った。「彼女は誰だ?今まで全く聞いたことがないが、おかしいな」

当時、山田文雄は高校三年生で、優秀すぎたため江渡附属中学校に引き抜かれたのだ。