131 華怜さん専用の席(2/2)

松木奥様は以前、陽城市で白川華怜に一度会ったことがあった。

その時の白川華怜は、彼女の心の中のイメージを覆すほどだった。今、一目見ただけで、これが本物の白川華怜だと確信した。

この雰囲気は前回見たときとほとんど変わらなかった。

「本当に彼女なの?」白井沙耶香は白川華怜の後ろ姿を見つめ、目を細めた。「ここで何をしているの?」

松木皆斗はいつも寡黙で、白川華怜がここにいることを彼女たちに話していなかった。

松木奥様も、以前は理系クラスにも入れなかった白川華怜が博源塾で特訓を受けているとは思わなかった。少し考えて:「気にしないで」

そう言いながらも、松木奥様は心の中で首を振っていた。

彼女は思慮深く、白川華怜が誰かに会いに来たのではないかと考えずにはいられなかった。博源塾で誰を知っているというの?