132白井沙耶香の驚愕、田中局長が招待状を求める_3

一方、渡辺泉のほうでは。

オフィスにて。

この数日間、彼は安藤蘭と共に結婚式の準備に追われながら、安藤家の人々をもてなし、さらに会社の業務も計画しなければならなかった。

「渡辺社長」会議テーブルで、大野会長は笑顔で手を差し出し、「ご結婚、おめでとうございます。19日は叔母の見舞いで海外に行かなければならず、出席できません」

渡辺泉は半年前から年末に結婚すると告げていた。

招待状も2ヶ月前に配布済みだった。

本気で考えれば、時間を調整して1日くらい作れるはずだ。

しかし大野会長たちは事前に招待状を受け取り、会社で安藤蘭にも会ったが、彼女にはバックグラウンドがないと分かっていた。

渡辺泉が招待したのは主に会社の一般社員だった。

大野会長たちは渡辺お婆さんが反対していることも知っており、渡辺家の親族も少ししか来ないことから、わざわざ1日を割いてこの結婚式に出席する気はなかった。