148木場院長の期待、彼女の得意分野に出会う_2

渡辺文寺が車を発進させながら、木場院長の感嘆に驚愕を隠せなかった。

一瞬にして、今まで説明のつかなかったことが全て繋がった。

なぜ木場院長の切符をもらえたのか。

そして……

なぜ黄原院長が彼を加えたのか!

全ては白川華怜本人からだったのか……木場院長は彼女をそれほど重要視していたのか?

ただ空港で一人で待っている白川華怜が寂しそうに見えたから付き添っただけなのに……まさか木場院長を待っていたとは。

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午前9時過ぎ。

飛行機が平山市に着陸し、水島亜美は至れり尽くせりのサービスを受け、降機する時に安藤秀秋に小声で言った:「このフライトの予約良かったわね。人も少なくて、お父さんの腰も痛くならなかったでしょう」

安藤秀秋は水島亜美を一瞥して:「……」

彼らだけだから、当然少ないわけだ。