白川華怜も、こんなに大きそうな図書館なのに、4冊の本も揃わないとは思わなかった。
彼女は司書に礼を言い、木村浩に愚痴をこぼした。
最後に欲しかった古文献をさらに2冊見つけ、カウンターで借りようとすると、司書はこんなにも異なるスタイルの本に驚いた様子だった。
本を借り終えると、彼女は12番のバスで清水通りに向かった。
伊藤満はタバコを咥えながら店主の店で年末商品を売るのを手伝っていたが、白川華怜が来るのを見ると、目を輝かせて小さな椅子から立ち上がった。「姉さん」
白川華怜は戻ってきてから、まだ伊藤満たちに会えていなかった。
伊藤満は白川華怜に最近の出来事を報告し始めた。
その時、清水通りの入り口で。
一台の車がゆっくりと停車し、中村修一行が車から降りてきた。中村優香は中村修と一緒に座っていたが、眉間にしわを寄せていた。これは初めて中村修が安藤家に年始の挨拶に来るのだった。