宮山おじさんは宮山小町がブロガーをしていることを知っていて、毎日彼女の動画にいいねやコメント、シェアをし、悪意のあるコメントを見つけると報告し、小町にDMを送っていた。
この二日間、白井沙耶香の件で、小町の動画には大量のアンチが押し寄せていた。
業者も一般人もいた。
これらの人々は小町の以前の動画を見ていないのに、最新の動画で罵詈雑言を浴びせかけ、ありとあらゆる中傷をしていた。
小町はブロガーをすればこういうことに遭遇するのを知っていたので、すぐに立ち直れたが、宮山のお父さんとお母さんはそれほど強い心を持っていなかった。一人娘のことで、以前アンチが一人現れただけで、宮山のお父さんは一晩中寝ずに相手と罵り合っていた。
今、それらのコメントを見ると辛くならざるを得なかった。
「小町には言わないでください」宮山おじさんはすぐに白川華怜に言い、また後頭部を撫でた。
この年になって、小町のクラスメートに泣いているところを見られて、宮山おじさんもとても恥ずかしく、胸を張って前に歩いていった。
白川華怜は彼を中庭に連れて行き、スマートフォンでアプリをダウンロードした。
彼女のスマートフォンにはほとんどエンターテイメントアプリがなかった。
しかし、小町が使っている動画アプリを覚えていて、ダウンロード後、登録画面が出たが、面倒くさがって「この電話番号で」をタップして入った。
彼女は藤野院長の隣に座り、井戸に背を向けて、目を伏せていた。
肘を石のテーブルに何気なく置き、優しい夕日の中で、彼女の全身から何故か危険な雰囲気が漂っていた。
「何をしているの?」藤野院長は白川華怜を何度か呼んだが、彼女があまりにも素っ気ない態度だったので、お箏を置いた。
彼女の方へ来た。
白川華怜はちょうどアプリに入ったところだった。
藤野院長は「ユーザー2589741」という明らかに新規アカウントの名前を見て、「本当にネットをしないの?」
驚いて口を開いた。
ずっと白川華怜が適当に答えていただけだと思っていた藤野院長は、この時まさに信じられない思いだった。
「うん」白川華怜は物憂げに検索バーをタップした。
藤野院長は覗き見る趣味はないので、また座って、白鳥春姫の新曲の話をした。
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